コーヒーの生産量世界第4位のコロンビア。
長らく3位の位置をキープしていましたが、2021年にインドネシアに抜かれてしまいました。
2022年 コーヒー豆の生産量(上位5か国)
順 位 | 国 名 | 生産量(トン) |
---|---|---|
1 | ブラジル | 3,172,562 |
2 | ベトナム | 1,953,990 |
3 | インドネシア | 794,762 |
4 | コロンビア | 665,016 |
5 | エチオピア | 496,200 |
コロンビア産コーヒー豆はマイルドな味わいで、ブレンドのベースとしても幅広く使われています。また、「エメラルドマウンテン(エメマン)」という銘柄もよく耳にするため、親しみを感じるコーヒーのひとつです。
人気も認知度も高く、確固たるポジションを確立しているコロンビアのコーヒー。あらためて、その味わいの特徴などを紹介します。
- 日本安全食料料理協会(JSFCA)認定
コーヒーソムリエ - 日本技能開発協会(JSADA)認定
コーヒープロフェッショナル - 年間2,500杯分以上コーヒーを
淹れる人
- 日本安全食料料理協会(JSFCA)認定
コーヒーソムリエ - 日本技能開発協会(JSADA)認定
コーヒープロフェッショナル - 年間2,500杯分以上コーヒーを淹れる人
コロンビア産コーヒー豆はバランスがいい
コロンビア産コーヒー豆の特徴は、味わいのバランスがいいこと。
苦味、甘味、酸味のいずれも突出せず、それぞれの味の調和がとれています。そのバランスの良さから「マイルド」とも表現され、ブラジル産コーヒー豆と並び、ブレンドのベースとしてもよく使われます。
関連記事 >>> ブラジルコーヒーの特徴|バランスがいい「スタンダードな味わい」
コロンビア産コーヒー豆は、ミディアムロースト(浅煎り)からフルシティロースト(中深煎り)まで、幅広い焙煎度合いに対応します。キレのある酸味やクリアな味わいが好みなら浅煎り、苦味やコクを求めるなら深煎りです。
精製方法についても、ナチュラル、ウォッシュド、ハニープロセスそれぞれの違いにフォーカスしやすく、飲み比べするのもおすすめです。
関連記事 >>> コーヒー豆の精製方法4種類を解説|風味や味わいを左右する大事な要素
コロンビア産コーヒー豆の等級は「大きさ」で決まる
コロンビア産コーヒー豆の等級(格付け、グレーディング)は、基本的には豆の大きさが基準となります。下表の規格を満たす豆が、スペシャルティコーヒーとして輸出されます。
等級 | スクリーンサイズ |
---|---|
Excelso Supremo エクセルソ スプレモ | 17以上 |
Excelso Maragogipe エクセルソ マラゴジッペ | 17以上 |
Excelso Extra エクセルソ エクストラ | 16 |
Excelso Caracol エクセルソ カラコル | 12以上 |
マラゴジッペとは突然変異種のことで、希少性が高い大粒の品種のことを指します。また、カラコルとはピーベリーのことで、通常は1つの実に扁平の種子が2つ入っているところ、丸い形をした種子が1つだけ入っているものを指します。
コロンビアのグレーディングは、ケニアの方法とよく似ています。
関連記事 >>>【高品質】ケニア産コーヒー豆の特徴|焙煎の違いで選べるおいしさ
エメラルドマウンテンは日本のための銘柄
コロンビアコーヒーの銘柄として有名な「エメラルドマウンテン」。「エメマン」という呼び名で缶コーヒーのCMに登場したため、非常に高い知名度を誇ります。
じつは、エメラルドマウンテンと認められるのは、コロンビアで1年間の間に収穫されるコーヒーのわずか数%(1~3%程度)という、とても希少価値が高い豆です。
コーヒー鑑定士による7回ものカッピングなど、FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)が独自に定めた厳しい品質基準をクリアした豆だけが、エメラルドマウンテンと認められます。
高品質なコーヒーの安定生産と、生産者のより良い生活を実現のために活動する農業関連NGO。1927年、コロンビアのコーヒー生産者たちによって設立され、56万以上の生産者が加盟している。
エメラルドマウンテンは、コロンビアコーヒーの輸出先第2位の日本にむけて特別に設定されたコーヒー銘柄です。味や香りに繊細といわれる日本への対策で、高品質な豆として誕生しました。
エメラルドマウンテンの歩み
- 1970年
-
大阪万博で初めて紹介される
- 1971年
-
日本で商標登録
- 1989年
-
日本市場での販売開始
希少価値の高さゆえに価格も高く、紆余曲折ありながら販売にこぎつけました。現在では、人気・認知度ともにすっかり定着しています。
コロンビア産コーヒーの代表的な産地
コロンビアの大きさは日本の約3倍。赤道直下に位置し、ブラジルやペルー、エクアドルと隣接する国です。
コロンビアを縦断するアンデス山脈のふもとに続く丘陵地帯は、おいしいコーヒーづくりに適した条件を備えています。
- 適度な降雨量と日照量
- 朝と夜の温度差が大きい
- 栄養豊かで水はけのよい火山灰性の土壌
南北に広がるコーヒー生産地は、北部、中部、南部の3地域に分けられます。国土が広く標高差もあるため、年間を通してコーヒーの収穫ができます。
北部地方 | マグダレナ カサナレ サンタンデール ノルテ・デ・タンサンデール |
中部地方 | カルダス キンディオ リサラルダ ノルテ・デ・ヴァジェ アンティオキア クンディナマルカ ノルテ・デ・トリマ |
南部地方 | ナリーニョ カウカ ウィラ スール・デ・トリマ |
FNCは、シングルオリジンやトレーサビリティが重要視されてきた流れを受け、2005年に「原産地名称保護制度」の取り組みを始めました。現在、ナリーニョ、カウカ、ウィラ、サンタンデールが原産地呼称制度の認定を受けています。
特定の地域の「土地」や「伝統」に根付いた品質であることを認証するもの。産地等の条件が課せられている同様の例として、フランスにおける”ボルドーワイン”や”シャンパン”などがある。
ナリーニョ
標高2,300mに達する地域が含まれるナリーニョは、コーヒーが生育するには厳しい条件です。しかし、寒暖差が大きいからこそコーヒーチェリーの糖度は高くなり、高品質なコーヒー豆が生産されます。
ナリーニョで採れるコーヒーは、香り高くすっきりとした味わいが特徴です。
カウカ
年間を通して気候の変動が少なく、地域内では地形や土壌がほとんど同じ条件。そのため、非常に安定的なコーヒー栽培が可能です。
こうした特徴はそのままコーヒーにも表れており、カウカで採れるコーヒーはバランスが取れた味わいです。
ウィラ
豊かな土壌と安定した気候で、コーヒーの生育に適した条件がそろっています。コロンビアのなかでも、最高級品質のコーヒーを生み出す地域としてよく知られています。
ウィラで採れるコーヒーののボディは比較的重めで、フルーティな香りが特徴的です。
サンタンデール
サンタンデールは、コロンビアの中でもコーヒー栽培の歴史が長い地域です。コロンビアの他の地域に比べて標高は低く(1,200m~1,700m)、日射量は多い特徴があります。
サンタンデールのコーヒーは、ハーブの香りに例えられます。
コロンビアにおけるコーヒーの歴史
- 1730年頃
-
コーヒー栽培が始まる
- 1835年
-
初めてコーヒーが輸出される
- 1927年
-
FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)設立
- 2011年
-
「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」 ユネスコの世界遺産に登録
コロンビアにおけるコーヒー栽培の始まりは、1730年頃にタバヘ(東部に位置する都市)の「サンタ・テレサキリスト修道院」にコーヒーの木が植えられたこととされます。その後、1835年に初めて輸出されるなど、緩やかに普及しました。
コーヒー需要が増加する19世紀の終わりごろから、生産が盛んになります。1927年には、高品質なコーヒーの安定生産と、生産者のより良い生活を実現のため、生産者たちによりFNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)が設立されました。
2011年6月には、「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」がユネスコの世界遺産に登録されました。コロンビアにとってのコーヒーとは、産業の面だけでなく文化的にも重要な意味合いを持つものとして、国民の生活に根付いています。
参考サイト・参考図書
- 在コロンビア日本国大使館
- FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)
- GLOBAL NOTE(国際統計・国別統計専門サイト)
- 原産地名称保護制度(Wikipedia)
- ビジュアル スペシャルティコーヒー大事典 2nd Edition (日経ナショナルジオグラフィック社)
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