コスタリカ産コーヒー豆の特徴|独特の味わいを生み出すハニープロセス

早い段階から質にこだわったコーヒーを作り続けてきたコスタリカ。輸出されるコーヒーのうち、その半分はスペシャルティコーヒーです。

スペシャルティコーヒーは、世界中で流通するコーヒー豆のうちわずか数%ということを考えれば、コスタリカ産コーヒー豆の品質の高さがよくわかります。

味わいの特徴やコーヒー栽培の歴史などについて、詳しく見ていきます。

この記事の要点

コスタリカのコーヒーの特徴とは…

  • 果実感と透明感が両立した味わい
  • 独特の味わいを作る「ハニープロセス
  • 功を奏した「量より質」の戦略

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この記事を書いた人
コーヒーソムリエ②
もじゃ
  • 日本安全食料料理協会(JSFCA)認定
    コーヒーソムリエ
  • 日本技能開発協会(JSADA)認定
    コーヒープロフェッショナル
  • 年間2,500杯分以上コーヒーを
    淹れる人
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コーヒーソムリエ②
もじゃ
  • 日本安全食料料理協会(JSFCA)認定
    コーヒーソムリエ
  • 日本技能開発協会(JSADA)認定
    コーヒープロフェッショナル
  • 年間2,500杯分以上コーヒーを淹れる人
目次

コスタリカ産コーヒーの特徴

コーヒー豆(イメージ)

コスタリカ産のコーヒーは、みずみずしい果実感と、透明感のあるクリアな味わいが両立していることが特徴的です。

みずみしい果実感を具体的に表現すると、「マスカットや梨、桃などを思わせる甘さ」です。そして、その甘さもスッと引いていき、後味がクリアです。

さまざまなフレーバーが同居する、
複雑かつ絶妙なバランス

そんな不思議な魅力を持ったコーヒーです。

魅力的なフレーバーを生みだす「ハニープロセス」

代表的な精製方法の特徴

果実感がある瑞々しさが特徴的なコスタリカのコーヒー。この味わいを作り出すのが、ハニープロセスです。

ハニープロセスとは、コーヒーチェリーの果実部分をあえて残して天日干しする方法。濃厚な果実味が特徴の「ナチュラル」と、クリーンな飲み口が特徴の「ウォッシュド」の中間の精製方法で、両者のいいところを取り出したような精製方法と言えます。

ナチュラル

コーヒーチェリーのまま天日干しした後に、種子(=コーヒー豆の部分)を取り出す方法

ウォッシュド

コーヒーチェリーから果肉部分を水で取り除き、種子だけを天日干しする方法

ハニープロセス

コーヒーチェリーの果肉の一部を水で取り除き、果肉が残ったまま天日干しした後、種子を取り出す方法

コーヒーは精製方法によって大きく味わいが変わります。上記3種類に「スマトラ式」を加えた代表的な精製方法について、下記記事で詳しく解説しています。

【関連記事】コーヒー豆の精製方法4種類を解説|風味や味わいを左右する大事な要素

ウォッシュドの豆は明るくクリアな酸味

2000年代中頃にハニープロセスが開発されるまでは、ウォッシュドが主流でした。現在でも、ウォッシュドで精製されたコスタリカ産のコーヒー豆は流通しています。

ウォッシュドで精製されたコスタリカ産コーヒー豆は、マイルドな味わいです。そこに、黄色やオレンジ色をイメージさせる明るい酸味が顔をのぞかせます。

浅煎りにしたコロンビアのコーヒーに似ている印象があります。ハニープロセスが開発される以前から、品質に定評があったのもうなずけるおいしいコーヒーです。

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コーヒーの産地やコスタリカの特徴について

北はニカラグア、南はパナマと国境を接するコスタリカ。国土は約51,000㎢で、九州と四国を合わせたくらいの小さな国です。首都はサンホセ。

雨季(5月~11月)と乾季(12月~4月)があり、年間降水量は約1,800ミリで、年間の平均気温は25℃。また、火山が国土を横断するように連なっており、ミネラル豊富な火山性の土壌を形成しています。

このようにコスタリカは、気候や地形、土壌など、コーヒー栽培に適した地理的条件がそろっています。

コスタリカの主要な産地は8つ

8つの主要な産地

  1. タラス
  2. トレスリオス
  3. セントラルバレー
  4. ウェストバレー
  5. オロシ
  6. ブルンカ
  7. トゥリアルバ
  8. グアナカステ

コスタリカにおいて、コーヒーの主要な生産地は8つ。「タラス」は、高品質な豆の産地としてもっとも有名です。

小規模農家に支えられるコスタリカのコーヒー生産

コーヒーの産地として、気候にも土地にも恵まれたコスタリカ。小規模農家が多く、その数は約8万件ともいわれています。

1933年に設立されたコスタリカ・コーヒー協会(ICAFE)がコスタリカのコーヒー産業を統括しており、小規模農家を保護する役目も担っています。

ICAFEの役割

  • 小規模農家の保護
    (=公正な取引の確保)
  • 生産・輸出管理
  • マーケティングやプロモーション活動
  • 技術開発や技術指導

など

環境保全にも積極的なコスタリカ

この小さな国土の中に、地球上すべての生物種のうち5%が生息しているとされ、「環境保護先進国」としても有名です。その国土は、おおよそ25%が国立公園や自然保護区として定められ、エコツーリズムが盛んです。

さらに、再生可能エネルギーの活用も積極的に推し進めています。2015年以降、再生可能エネルギーによる国内電力供給率は98%を超え続けています。

「エコツーリズム」を詳しく見る

エコツーリズムについて、環境省では次のように定義しています。

自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた

環境省HPより引用

つまり、

自然や文化などの資源を”消費するだけ”の観光はダメ!

消費するのではなく持続可能であること、そして、「ツーリズム」というからには観光としても魅力的であることを同時に求められます。

コスタリカはエコツーリズム発祥の地ともいわれ、聖地として紹介されることもあります。

【参考記事】エコツーリズムの聖地、コスタリカ(Ecotourism World)

再生可能エネルギー」を詳しく見る

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力などのように自然界に常に存在するエネルギーのことを指します。

化石由来のエネルギーとの違いは、下記の3点です。

  • 枯渇しない
  • どこにでも存在する
  • 二酸化炭素を増加させない

なお、コスタリカの再生可能エネルギーの国内電力供給率の内訳(2022年度上期:98.58%)は下記の通りです。

  1. 水力(70.08%)
  2. 地熱(14.18%)
  3. 風力(13.46%)
  4. バイオマス(0.86%)

日本貿易振興機構(JETRO)公式サイト参照

【参考記事】連続7年半、再生可能エネルギーでの国内電力供給率98%超を維持(日本貿易振興機構(JETRO))

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コスタリカにおけるコーヒー栽培の歴史

1821年

一部自治体がコーヒーの種を無料で配布

1832年

ヨーロッパへ初めて輸出

1846年
~1890年

コーヒーが唯一の輸出品

1933年

コーヒー保護協会(現在のコスタリカ・コーヒー協会(ICAFE))設立

1988年

アラビカ種以外の栽培を法律で禁止

1990年代

マイクロミル革命

2000年代

ハニープロセスの開発

コスタリカにおけるコーヒー栽培の始まり

19世紀初頭、コスタリカは中米で最も早くコーヒー栽培を開始した国の一つでした。1821年、スペインからの独立後、コーヒーの栽培を奨励するため、地方自治体が無料でコーヒーの種を配布し始めました。

この時点で、既に17,000本のコーヒーの木が植えられていたという記録があり、コーヒー栽培が広く普及する基盤が築かれました。

経済発展をけん引したコーヒーの輸出

1832年、初めてヨーロッパ向けにコーヒーが輸出されました。ここからコーヒーは、コスタリカの経済にとって大きな存在となっていきます。

その後、1846年から1890年までの長きにわたって、コーヒーはコスタリカ唯一の輸出品として経済を支え、国内のインフラ整備に大きく貢献します。

この状況は、1900年代初頭にバナナの輸出がコーヒーを抜くまで続きました。

小規模農家を保護する政策を展開

1933年、コスタリカ政府は小規模農家を支援し、コーヒー産業を保護するためにコーヒー保護協会(のちの「コスタリカ・コーヒー協会(ICAFE)」)を設立。土地柄や歴史的背景により、小規模農家が多かったコスタリカ。コーヒー保護協会設立の目的は、小規模のコーヒー農家が踏み台にされないよう保護することでした。

1948年にその役割のほとんどをコスタリカ・コーヒー協会(ICAFE)へ引き継ぎました。

ICAFEの役割(再掲)

  • 小規模農家の保護(=公正な取引の確保)
  • 生産・輸出管理
  • マーケティングやプロモーション活動
  • 技術開発や技術指導

など

「量より質」が生んだハニープロセス

1988年には、高品質な種である「アラビカ種」以外の栽培が法律で禁止されます。

「アラビカ種」とは…

コーヒーは、大きく分けてアラビカ種ロブスタ(カネフォラ)種リベリカ種の3種類(コーヒーの三大原種)に分けることができます。

その中で最も風味が豊かでおいしいとされるのが、アラビカ種です。

アラビカ種

もっとも風味豊かでおいしい。しかし、病虫害に弱く生産性も低い。

ロブスタ種(カネフォラ種)

病虫害に強く生産性も高いが、苦味が強くおいしくない。

リベリカ種

ほとんど流通しておらず(世界全体で1%以下)、そのほとんどがヨーロッパで消費される

続けて1990年代に、収穫後の処理を行う小規模精製所(=マイクロミル)が劇的に増加します。これは「マイクロミル革命」と呼ばれ、個性的で多様性のあるコーヒーの生産が加速しました。

さらに、2000年代。

ハニープロセスという、今やコスタリカを象徴するような精製方法が開発されました。これによりコスタリカは、コーヒーの産地として特別な地位を確立しました。

現代のコスタリカコーヒー産業

今日、コスタリカのコーヒー産業は、持続可能性環境保全に重点を置いています。多くの農園では、生物多様性の保護と土壌の健康を促進するための方法が採用されています。また、気候変動に対する適応策として、より耐久性のある品種の開発と栽培方法の改善が進められています。

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おすすめのコスタリカ産コーヒー豆

珈琲きゃろっと「コスタリカ モンテ・コペイ エル・エンシノ農園」

おすすめするコスタリカ産のコーヒー豆は、珈琲きゃろっとの「コスタリカ モンテ・コペイ エル・エンシノ農園」です。

味わいの特徴
  • ジューシーな酸味
  • 優しい甘みのすっきりした後味
  • 雑味のないキレイな味わい
品 名コスタリカ モンテ・コペイ エル・エンシノ農園
内容量200g
価 格
(税込)
2,180円

この銘柄は、珈琲きゃろっとの「初回限定お試しセット」に含まれます。グアテマラとのセットで通常4,583円のところ、2,138円(53%off)でお得に購入できるので、この機会にぜひお試しください。

送料無料!1杯約53円!

さらに、定期便の”仮予約をするだけ”で「マンデリン スマトラタイガー」が特典でついてきます(追加料金なし!)。つまり、最大約68%offで珈琲きゃろっとの豆を手に入れることができます。

申し込みの方法やそれぞれの味わいについて、下記記事で詳しくレビューしています。忖度なしに、ビックリするくらいコストパフォーマンスが高いです。コーヒー好きの方ならば、購入して損することはあり得ません。

【レビュー記事】珈琲きゃろっと「初回限定 お試しセット」

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参考図書、参考サイト

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